知的財産にこだわらずにお話下さい!

 大阪北部での地震に続き、大雨による未曾有の被害が発生してしまいました。

 被災された方々に心よりのお見舞いを申し上げます。

 炎天下のなか、行方不明者の捜索活動をしておられる方々、復旧作業や被災者のサポートのために被災地に入っておられる方々には、頭が下がる想いで一杯です。どうか体調を崩されることがないよう、くれぐれも気をつけて作業にあたって下さい。

 

 直接には何もすることはできませんが、こんなときだからこそ、気を引き締めて自身の仕事に精一杯取り組むことで社会に貢献したいと思っています。 


 早いもので弊社も設立からまもなく3年になります。

 最近、今更のように感じることがあります。

 中小企業の経営者はとてつもなく忙しいと。

 こちらから訪問させていただく場合でもすぐにアポがとれることは少なく、早くても一週間は先になることが多いです。

 相談したいことがある、と言ってこられるタイミングも、かなり押し迫ってからです。検討しないといけない問題を意識していても、動く余裕がないので、よほど大きな問題にならない限り動けない、または動かない・・・些細な問題で相談するのはいかがなものかというためらいや適当な相談相手を見つけられないという事情もあるかもしれません。

 問題が潜んでいても見逃されてしまうケースも山ほどあると思われます。事実、経営者の集まりに参加させていただいたときの懇親の場でそのようなケースだと感じ取れるお話をいくつも聞いたことがあります。

 一方、いったんお話をして意見や提案を差し上げると、すぐその場で答えを返して下さることが多いのも中小企業の特徴です。大手企業で良く言われる「上司に相談して」「稟議がおりてから」というような台詞を中小企業で聞くことは殆どありません。

 

 もうひとつ言えるのは、「知財に関すること」というような垣根を設けることなく、色々なお話をして企業の状況を良く把握する必要があるということです。私の場合、まだまだ「弁理士」とだという認識から相談ごとの範囲が絞られてしまう傾向が強いのですが、それにとらわれることなく、新規のビジネスの企画や営業のサポートをさせていただくようにもなってきました。

 もちろん、そのサポートの中から知財に関する問題を拾い上げて、問題提起や提案をしています。 

 そのような活動をしているうちに、改めて認識しました。

 

 とにかくお話をする機会を作ることが必要だと。

 「知的財産」という言葉にとらわれずに色々なお話を伺う必要があると。

 スキルや資格の必要性の面からできないこと・してはいけないこと以外は、「知的財産に関すること」にこだわらずに、できることか、してよいことかを良く検討した上で、「できる」「してよい」と判断したことを精一杯お手伝いしようと。

 それで、まず、「お話をする機会を作る」ために、新しいサービスを立ち上げようと思っています。

 完全無償とまではまいりませんが、大きな負担なく利用していただけるサービスにするつもりです。

 

 ご利用者には、「知的財産に関すること」というこだわりを持たずに、事業の現状や計画などを自由にお話いただこうと思っています。

 

 単なる雑談で終わってしまうかもしれませんが、これまで気づいていなかった問題や、あまり大したことではないと放置していたが実は重要度が高い問題が浮かび上がってくるかもしれません。

 知的財産に関していままで抱えておられたちょっとした疑問・問題意識の解決にも利用できますし、当方もお話を伺うことで事情を把握しておくと、なにか問題が発生したときに対応しやすくなります。

 

 なにぶん私も零細企業の経営者。計画はあっても諸事・雑事に追われてなかなか思い通りにまいりませんが、新規サービスとして打ち出していなくとも、従前の知財よろず相談の枠でお話はお受けできます。

 

 具体的な相談ごとがあるかどうかにとらわれることなく、知的財産に対する意識を高める必要性を感じておられる経営者の方々、ちょっと確認したいこと、聞いてほしいという話をお持ちの経営者の方々・・・

 こんな駄文が忙しい皆様の目に触れる可能性は低いとは思いますが、もし目にされましたら、どうか弊社の活用をご検討下さい。

株式会社知財アシスト 代表取締役

小石川 由紀乃 (弁理士)



小石川由紀乃 プロフィール

 理系出身者が圧倒的多数を占める弁理士業界において、大学で神経生理学や心理学を専攻した後、百貨店の書籍部門での勤務などを経て知財の世界に足を踏み入れた少し変わり種の弁理士。

 特許事務所勤務の傍ら、独学に近い無手勝流の受験勉強を経て、2005年に弁理士試験に合格。当初は、与えられた仕事をするだけのひきこもりタイプの勤務弁理士であったが、あるとき意を決して、外部との交流や情報発信などの活動を始める。

 中小企業のクライアントが多い特許事務所に長く勤務して見聞きした実情をふまえ、自分なりにできることをしようと、2013年に知的財産に関する専門部署を持たない企業に向けた知財サービスを提供する事業所:知財サポートルームささら(現・ささら知財事務所)を開設。

 より充実したサービスの提供を目指して、2015年8月に株式会社知財アシストを設立し、代表取締役に就任。