知財小話

 架空のお話を通して、よくある誤認識から生じる問題を解説しました。


知財への取り組み経験が乏しい企業が陥る落とし穴

 P社は組み込み機器の受託開発を手がける小企業です。

  これまでは顧客からの注文に応じて開発をするだけで、自社製品と呼べるものはありませんでしたが、創業から10年が経過したことを契機に自社独自の企画・開発に取り組もうということになり、役員で技術者のK氏をリーダーとするプロジェクトチームが結成されました。 

 

 開発のテーマがなかなか見つからず難渋しましたが、やがて、ある用途に特化した電子機器を思いついて企画・設計を進め、プロトタイプの製作にまでこぎつけました。動作テストの結果も良好です。

 ITやIoTの公知技術を応用したもので、画期的な工夫があるとは言えませんが、ターゲットとした分野で同様の仕組みをもつモノはまだ見当たりません。 

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その商標登録で大丈夫?

 久しぶりの架空のお話です。

 アクセサリーデザイナーのFさんは、自らデザインした商品によるオリジナルブランドを立ち上げることにしました。

  当面はネットショップでの販売ですが、ゆくゆくは実店舗を立ち上げたいと考えています。

 

 Fさんは、忙しい時間をやりくりして新規商品のデザインをいくつも考案し、これらの商品化の準備を進めました。 


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我が社の虎の子知財

  先日、ブログの再開を宣言しましたが、ブログ以外の記事やサイトの構成も少しずつ更新してゆこうと思っています。 

  本日は、「助っ人知財部」のご案内ページに掲載しているロゴを、Ⓡ(R)マーク入りのものに変更しました

 

 ちなみに、商標登録を受けたからⓇ(R)を付けなければならないという決まりはありませんし、Ⓡ(R)マークが登録商標を表す正式な表示として日本の法律で規定されていることもありません。

 登録商標であることを簡単に表すことができる便利なマークですが、やたらめったらⓇ(R)付の表記をすることは避けねばなりません。ちょっとお堅い話ですが、付けても良いと言えるのは、登録の対象として指定された商品や役務(サービス)に関して登録された商標そのものを使用する場合のみにすべきと考えています。

 詳細は、過去記事(Rマークは万能か?)を御参照下さい。

 

登録第5911424号商標
     商標登録第5911424号

 弊社の「助っ人知財部」のロゴマーク(左または上)は、第45類の「知的財産に関する助言又はコンサルティング,知的財産に関する調査,知的財産に関する情報の提供」を指定して商標登録を受けております。

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「お金」のことだけで特許申請をあきらめるな!

  Bさんは、プラスチック製品の成形加工を業とする小規模企業の経営者です。

 

 主要業務が受託加工ということもあって、これまでに知的財産権を取得する必要性を感じることはありませんでした。

 しかし、家族との日常の会話からふとひらめいたアイデアにより、ある生活用品を試作し、その試作品を家族や社員たちに見せたところ、思いのほか高い評価を受けたので、はじめて特許の取得にチャレンジしようか・・という気持ちになりました。

  社員たちの積極的な意見を入れて、商品化にもチャレンジしようということになりました。

お悩みのB氏

  Bさんは、インターネットで会社の近辺にある特許事務所をいくつか探し出し、それらの事務所のホームページを見比べてみましたが、なにぶん馴染みのない業界ですので、相談先をなかなか決められません。 とにかく、気がかりなのは費用のことです。各事務所が公開している料金テーブルも見ましたが、費目が多くてよくわかりません。

 

 困り果てたBさんは、検討していた事務所のうちの1つに電話をかけ、電話口に出た事務員と思われる人に、次のような質問をしました。

 「特許に必要な費用はトータルでどのくらいになるか、教えていただけませんか・・・」 

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商標の短絡的更新にご用心!

 パン職人のAさんは、15年ほど前に独立し、住み慣れたB市で厨房付きの小さな店を開きました。勤務の傍ら自力で続けた研究・試作の成果を活かしてこだわりの天然酵母パンを提供しようと張り切るAさんは、パンの材料である「酵母」とそのパンを製造する場所を意味する「工房」とにちなんで、新しい店に「こうぼ屋」という名前を付けました。

 

 「店の名前も大事な財産。同業者に同じ名前を使われないようにしたい・・」と思ったAさんは、勤めていた店のオーナーが店の名前を商標登録したと言っていたことを思い出しました。そこで、そのオーナーに連絡をとって、オーナーが利用した特許事務所を教えてもらい、すぐに相談にゆきました。

商標登録の申請は、商標を使用する商品またはサービスを指定して行います。Aさんの場合、製造・販売の対象となる商品が指定の対象になりますので、第30類の「パン」「サンドイッチ」「ハンバーガー」「ホットドッグ」あたりを指定されたら良いと思いますよ。将来、アイテムを拡大される可能性も考えて、「菓子」「ピザ」などの近い関係にある商品も指定しておきましょう。あくまでも簡単なチェックの結果ですが、類似の商標もなさそうですね。』

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特許権を侵害するとは?

特許権抵触かと悩む開発者

 

 「特許取得とうたって売り出されたライバルB社の新商品。

 同分野の商品を開発していたA社は大慌てです。

 

 「先を越されてしまった・・・もう開発を中止するしかないか・・・」と落ち込む開発チーム。 しかし「あきらめるな! 研究してなんとか特許権に抵触しないような工夫をしろ!」という社長の命を受け、開発チームは、B社商品を入手して自社のものとの比較・検討を始めました。 

 

 しかし・・・

 上記のA社の対応には大きな誤解があります。B社の商品を調べてその一部を変更したり、B社商品にはない工夫を組み込んでも、相手が持つ特許権に抵触しない状態になるとは言えないのです。

 もちろん、相手の商品を調べてより優れたものを目指すことは必要ですが、それより前に、B社が取得した独占権の範囲がどのようなものかを知る必要があります。多くの場合、実際の商品は独占権の範囲の中の1点にすぎず、その商品に対して差が生じるようにしても、独占権の範囲から抜け出すことができるかどうかを判断することはできません。

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